瞑想って集中力が上がりますか?
「はい、上がります。」


に対して、それぞれ実験の前後に ・記憶テスト ・時間あたりのタスク量テスト ・タスクのスピードテスト を計測しました。 すると、瞑想を実施した1グループと2の瞑想トレーニング後に ・作業効率が高まった ・気が散って作業が中断することが減った ・作業から次の作業への切替がスムーズになった ・作業時における記憶力が高まった ・ネガティブな気持ちが減った などの変化が現われました。 ”The Effects of Mindfulness Meditation Training on Multitasking in a High-Stress Information Environment” University of Washington Seattle David M. Levy,Jacob O. Wobbrock,Alfred W. Kasznia,Marilyn Ostergren たった、2ヶ月でこれだけの効果! 瞑想パワーってなかなかです。 では、これまでの瞑想経験や知識から 私なりに、なぜ瞑想をすると集中力が上がるのか考察してみます。
1 瞑想は「今ここ」に集中するトレーニングそのもの
そもそも「マインドフルネス瞑想」の「マインドフル」という意味は「今ここに集中する」ということです。 瞑想をやっていること自体が「集中している状態」またはそれを目指している状態なわけです。 つまり結果的に「集中力のトレーニング」になっています。 たしかに、私のやっている瞑想レッスンなどでみなさんによく言うのが 「眠たくなっても、寝てしまっても大丈夫です」 「雑念が出てきてもOK」 そして 「ありのままでいることが大事」だと。 こんなふうにリラックスして、ラクな状態でいるとき 自然と「今ここ」に集中している、いわゆる没我(ぼつが=我を忘れている)状態になれます。 逆に「集中しなければ」と思えば思うほど集中しにくくなります。 瞑想の目的は、決して集中力を養うことではないのですが、結果として集中力のトレーニングになっているのはこのような理由からです。2 瞑想をすると集中しているときと同じシータ波がでる
瞑想をするとシータ波という脳波がでやすいということが研究調査でわかっています。 これは「まどろみ」の状態。 瞑想=リラックス状態という印象が強いですが、脳波でいうと「リラックス状態」はアルファー波らしいです。 本当に集中している時は実はこのアルファー波ではなくシータ波の状態とか。 つまり、瞑想している状態に近いのです。 ゾーンに入るともいわれますね。 これが難しいのが入ろうと思ってゾーンに入るわけではないことです。 「気づいたら没頭していた」 「気付いたらすごい時間が経っていた」 なんてことありますよね。 これです!これ! 瞑想のときも同じ、「1 瞑想は「今ここ」に集中するトレーニングそのもの」にも書いたように、 「瞑想やるぞ!」ってあまり気合入れすぎるのはダメです。 そのような時には、きっとシータ波も出ていません。
3 瞑想は頭を疲れにくい構造にさせる
私たちは、 「体はそれほど疲れていないのに、気持ちや頭が疲れる・・・」 ということがよくあります。 それもそのはず、私たちの脳は体重の2%の大きさに関わらず、身体が消費する全エネルギーの20%を使用しています。 頭が疲れるのは、ごく自然なことです。 そして、脳が消費しているエネルルギーの60−80%はデフォルトモードネットワークという状態です。 これは「何かに集中している状態」ではなく「あれこれ考えを巡らせ、心がさまよっている状態」です。 私たちは1日18万7千項目も考えている、といわれるほどあれこれ考えているのが普通です。 それですっかり脳が疲れてしまっているのです。 ですから、逆にこのデフォルトモードネットワークの状態をおさえることができれば脳の疲れは軽減できます。 それをできるのが「瞑想」です。 瞑想を行うことで、デフォルト・モード・ネットワークを司る脳の部位、 特に内側前頭前野と後帯状皮質の活動が低下し、 それに伴い脳のエネルギー消費が軽減されるのです。 そして、マサチューセッツ大学准教授で心理学者のジャドソン・ブリューアー博士(元イェール大学精神神経学科の研究者)によると、 この瞑想の習慣を持つことは脳の一時的な回復だけではなく、 無駄なエネルギー消費をしづらくなるように脳の構造自体を変えてしまうのです。 つまり、瞑想を続けると疲れにくい脳の構造になる、ということ。 参考:久賀谷 亮(2016) 世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる ダイヤモンド社
コメントを残す