新入社員が会社を辞める理由と定着を促すサポート対策・レジリエンス向上

新入社員にとって理想と現実のギャップは、離職の主要な要因となることがあります。

新入社員は入社前には会社や仕事に理想を持っており、自身のスキルを発揮し成長できると期待しています。

そして、その理想とは違う現実が待ち受けている場合が通常でしょう。それは仕方のないことです。


ただし新入社員の方々はその理想と現実のギャップは初めての体験であり、それは社会人経験者と一番違うところです。

誰もが初めての経験はとてもインパクトが強く、特にそれがネガティブな印象の場合にはどうしても心に残ってしまいます。

ここが、他の社員と比べて新入社員の離職への影響が大きい点です。

また、就職みらい研究所「就職白書2020」によると、2020年の新卒採用における1人あたりの平均採用コストは、93.6万円でした。

新入社員はまだ会社への売上には貢献できていない場合がほとんどです。

そして、離職した場合に新たな社員を採用するのにまたコストがかかります。

ですから、このコストを考慮して短期的にも、人材育成という観点で長期的にも新入社員の定着率を上げる工夫が必要になります。

このことについて、新入社員側と企業側とそれぞれができる、新入社員の定着を促す施策について考えていきます。

新卒社員の理想と現実のギャップ

理想と現実のギャップが離職の要因となる理由

では実際、具体的にどのような理由で退職に至ったのでしょうか。

就職みらい研究所「就職白書2020」によると「新入社員が離職する理由ランキング」では以下のようになっています。

1位 仕事内容への不満 43%

2位 人間関係への不満 34.2%

3位 労働条件や勤務地への不満 29.8%

4位 賃金への不満   20.2%

5位 会社への将来や雇用安定への不安 14.9% 

(複数回答あり)

これらの離職理由は、社会人経験者であってもほぼ同様の内容ですが、前述したように新入社員にとっては初めて経験でインパクトが数倍である、ということを忘れてはいけません。

この新入社員ならではの部分を理解、共感して捉えることがポイントでしょう。

離職理由の具体的な内容の解説

では、ここから上記に上がっている離職理由がどのように離職につながっていくのかを考えます。

離職理由1:仕事の内容の問題

新入社員の離職理由の一つとして、仕事の内容とのギャップが挙げられていました。

多くの新卒社員は入社前に企業のイメージや求人情報から仕事の内容を予想していますが、実際には予想していたような業務が実施されない場合があります。

このようなギャップは、新入社員にとって大きなストレスや不満を引き起こし、やがて定着率低下や離職に繋がることがあります。

そして、このギャップは企業側と新入社員側双方の原因があると思います。

まず、企業側ですが、求人情報の不十分さや仕事の実態の伝達不足が考えられます。

また、会社の業務状況や組織の変化によって、予想とは異なる業務が新入社員に割り当てられることもあります。

その際はとりわけ十分な説明と上司や人事によるサポート、コミュニケーションが重要です。

また、新入社員側の原因もあります。それは主には2つです。

1 物事の捉え方:

新入社員は社会人経験が浅く、仕事や職場環境を捉える視点や考え方が多様です。

同じ状況でも、個人の物事の捉え方によって感じ方や対応が異なります。

例えば会社の状況が予想と違って
「ああ、思っていたことと違うなぁ」とネガティブに捉える人も入れば
「予想してなかったことができるのは興味がわく」とポジティブに捉える人もいます。

この「物事の捉え方で仕事の価値も変わってくる」ことがわかっていると、多少の想定外も受け入れやすくなります。

そして、仕事に対する前向きな捉え方はモチベーションを高め、困難にも積極的に対処する姿勢につながります。

2 キャパシティ(能力や柔軟性):

新入社員は未経験の業務に取り組むことが多く、それに対応するキャパシティには個人差があります。


また、予期せぬ状況に対して、一部の新入社員は順応が早く、他の人は適応に時間がかかる場合があります。

なかなか新しい状況を受け入れがたい新入社員は、思い描いていた仕事の内容に大きなストレスを受けがちです。

そこで個々人の柔軟性を高め、適応していく能力が求められます。

離職理由2:人間関係の問題

新卒社員が職場環境や人間関係に対して抱く期待と、実際の職場の状況とのギャップは、定着率に影響を与える重要な要素です。

新入社員は入社前に企業のイメージや社風を想像し、仕事を楽しみながら成長できる環境を期待します。

しかし、実際の職場の雰囲気や人間関係が期待と異なる場合、新入社員は適応に苦しむことがあります。

特に、人間関係におけるギャップも大きな問題となります。

新入社員は上司や先輩社員とのコミュニケーションを通じて成長したいと考えていますが、職場でのコミュニケーションの希薄さや対応の冷たさなどがあると、新入社員は孤立感を感じることがあるかもしれません。

ただし、新入社員にも強くなってもらう必要があります。

社会で仕事をする限り、まだ経験の浅い新入社員に厳しくいわざる得ない場面、理不尽な場面もあるものです。

これは学生時代にはなかった場面であるでしょう。

新入社員の方々もこれを少しずつ乗り越えるメンタル、打たれ強さをつけていくべきでしょう。

離職理由3:給与と労働条件の問題

次に給料や、労働条件でのギャップについて考えます。

新入社員の平均初任給は以下のようになっています。

大学院卒 23.8万円

大学卒  21万円

高校卒  16.7万円

(厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給 より)

もちろん入社の際には給料についてはあらかじめ明確になっているはずです。

ですから、ギャップが生じるのはそこから社会保険料などが引かれた手取りとの額がギャップと感じるのではないかと推察します。

大学卒の初任給の80%を手取りとして計算すると、大学卒(事務・技術)の手取りは約17万円です。

21万だと思っていたら・・・20万を切ってしまう、このショックはなんとなく想像できます。

そして、これも想像ですが初めての給料の額が少なく

「これがこのままずっと続くのか・・・」と思うとちょっとモチベーションが下がるのも理解はできます。

そして、さらに労働環境のギャップです。

これは会社にもよりますが、特に長時間労働は誰にとっても辛いものです。

やはり中にはブラック企業といわれるように、長時間労働が当たり前という会社もあるのが現状です。

ですから、新卒にとってはフタを開けてみて「こんなはずではなかった」ということはあり得ると思います。

 離職理由4:スキルや経験の不足

新卒社員は入社前には学校やアルバイト経験を通じて身につけたスキルや知識を持っていますが、実務経験がないために

「自分のスキルや経験が現場で本当に役立つのか」

「十分な成果を上げられるのか」

などと不安を感じることがあります。

一方、企業は新卒社員に対して求めるスキルや経験がある程度定められています。

例えば以下のような能力やスキルです。
専門知識: 

新卒社員には、入社前の学校教育や専攻に基づく専門知識が求められます。

それによって、組織内の専門分野に関連する業務を遂行し、成果を上げることが期待されます。

基本的なビジネススキル: 

コミュニケーション能力、問題解決能力、チームワーク、時間管理など、ビジネスにおける基本的なスキルが求められます。

これらのスキルは、新卒社員が円滑な業務遂行や成長に必要不可欠です。

コンピュータースキル: 

現代のビジネス環境では、コンピュータースキルが重要な要素となっています。基本的なオフィスソフトウェアの操作やデジタルツールの使用が求められます。

一般的なビジネス情報:

ビジネスは社会、経済の動向と切り離せません。

ですから、学生時代には興味がなかったとしても、社会人として一般的な社会動向、ビジネス情報は、周りの人たちと話をできるくらいは知っておく必要があります。

これらのスキルや知識は社会人として必要不可欠になります。

この際、もしかしたら新入社員は実際に自分の至らない部分を知ることでギャップを感じ自信をなくす可能性があります。

その場合には会社あるいは上司としては、ステップバイステップで指導をしてサポートをしていく必要があります。

解決方法:レジリエンスとメンタルサポートの重要性

ストレスや困難への対処能力であるレジリエンスの重要性について

ここまで紹介してきたように、新入社員が初めての社会人経験を通して、さまざまなギャップを感じそれを乗り越えていけるか否かが離職するか、そのまま仕事を続けられるかの鍵を握っています。


それらのギャップや課題、ストレスを乗り越える「打たれ強さ」をレジリエンスと言います。これは日本語に訳すと「回復力」です。

企業としてはレジリエンス= 「困難や逆境にあっても、それを乗り越え、精神的病理を示さずよく適応している力」 を新入社員にはつけてもらいたいところです。

では、そのレジリエンス力は、具体的にどのような要素によって成り立っているかをご説明しましょう。

レジリエンス研究の第一人者であるペンシルベニア大学ポジティブ心理学センター ライビッチ博士によるとレジリエンスは6つの要素に分かれます。

また、「レジリエンスを築く10の方法」をアメリカ心理学会(APA)は提唱しています。
この2つの理論は、重なる部分があります。

ですので下記のように、2つの理論を合体させたものを図で示しました。(円:6つの要素、四角:レジリエンスを築く10の方法)

ライビッチ博士によるレジリエンスの要素からみていきましょう。6つの要素とは、1自己認識 2自制心 3精神的敏捷性 4楽観性 5自己効力感 6つながりです。1つずつ見ていきます。

レジリエンスの6つの要素

1自己認識
自己認識とは自分の感情や強みを認識することです。

「今、自分はどんな感情でいるのか」これを認識するだけで、ストレスはかなり減ります。
「ああ、自分は怒っている」「自分は悲しいのだな。だから涙が出てくる」などの感情です。

これをするためにはちょっと離れたところから自分を眺める、ということが必要になってきます。
このちょっと離れてみることこそ、そのストレス感情と距離を置くことになります。

そして、距離をおくとネガティブなことから距離を置くことになります。
そんなふうにして人は悩みが占める割合が小さくなっていくのです。

また、自分の強みを知るとは、自己肯定感を高めることになります。知るだけでいいのです。

自己肯定感を高めそこから徐々に平常の自分に戻っていきます。

2自制心
自制心これは自分の感情や行動をコントロールするということです。

先の自分の感情を認めた後には、溢れ出てくる傷つき、怒り、不安などをコントロールし適正な行動をしてきます。
そして、行動が変われば気持ちもマインドも変わっていきます。
これがレジリエンスにつながっていくのです。

3精神的敏捷性 
 もともと英語の専門用語なので訳すと少々意味が分かりづらいのが精神的機敏性 (せいしんてき きびんせい)です。

これは環境の変化にも柔軟に対応し、素早く動ける能力です。機敏な動きとはそういうことですね。
これも、一度落ちたマインドを再び回復するためには必要なことがわかります。
次に向かって動いていくことがレジリエンスそのものであるので、精神的な機敏性は大切であることがわかります。

4楽観性
これはただポジティブに考える、ということだけではなく
・このストレス、問題を自分を成長させる機会であると捉えられる
・自分はこれを乗り越えていくであろう、という自信を持つ

そんな楽観性です。
これもレジリエンスと強く結びついているということは想像できると思います。

5自己効力感
自己効力自己効力とは「自分ならできる」という自信です。
そして、これは実際これまで自分でできてきた、ことでしか生まれません。
そして、それは何も大それたことでなくても大丈夫。小さな達成感でもいいのです。
小さな達成感の積み重ねが大きな自信につながります。

6つながり
つながり他者とのつながりのことです。

これだけは要素の中でも能力ではなく、レジリエンスを高めるための条件になっています。
人との繋がりは回復ではとても重要です。


逆につながりが少ないとレジリエンス力がなかなかつかない、といえるかもしれません。

実際、孤独であることは様々なメンタル疾患をまねくことが調査でわかっています。
ですから、レジリエンスのために日頃から自分の周りに信頼のおける仲間を作っておくことはとても大事です。

レジリエンスを築く10の方法

では次にアメリカ心理学会(APA)は提唱している「レジリエンスを築く10の方法」をご紹介します。

1 大切な人とのつながりを育む
日頃から、身近で親しい人とのつながりを作り、それを育んでおくことです。周りの支えによってレジリエンスは高まります。 

2 必ず乗り越えられるものだと知る
自分の力を信じて、自分ならできると心から感じること。それには小さなことでも良いので達成感が大切です。それで自分を信じることができるようになります。 

3 変化は人生の一部だと受け入れる
まず、目の前にある事実を受け止め、そこからどう進むのかを考えること。
そして、全ては良いことも悪いことも変化していくものであることを受け入れること。 

4 自身の大切な目標に向かって、少しずつでも歩み続ける
目標に対して、細かく分解して計画を立てること。 無理のない、今からすぐ始められる一歩を決めて始めること。

5 自分で決めて、自分で行動を起こす
他人から言われたこと、やらされることをなるべく減らし、自分で決めて自分から行動すること。
例え挑戦が失敗したとしても自分で決めたことであれば納得できる。そして、また挑戦できる。 

6 自己発見の機会を探す 
全ての経験は自分の成長だと心得ておく。すると、毎回自分の成長に気づくことができる。 

7 ポジティブな自己肯定感を育てる
失敗して、思い通りにいかなかった自分も認め、それをしたことを認めてあげること。 

8 物事を大局的にみる
何事も長い目で見ると無駄なことはない。そして、全てが自分の成長とつながっていることを知ること。 

9 楽観志向でいる
物事の良い面、明るい面に意識を向ける。必ずポイティブな面はあるはず。そして、ポジティブな言葉を口にする

10 自分のことを大切にする
自分の心も体も大切にしよう。相手を労わるように、自分のこともいたわり大切にする。

以上のようにレジリエンスを成り立たせるものは上にあげた6つの要素と10の項目になります。

このレジリエンス=回復力、打たれ強さという概念を理解し、新入社員の方々にも自分自身のレジリエンス力を意識して向上していくことが必要でしょう。

このレジリエンスを高めることで、理想と現実のギャップを乗り越えて、仕事や職場環境をポジティブに捉えていく、そしてその結果、離職を避け定着を期待できます。

新入社員の成長と定着を促すサポート対策やトレーニングの重要性

新入社員のレジリエンスの向上をしつつ、定着に向けて会社としてどのようなサポート対策ができるか、あるいはトレーニングを実施するかを具体的に紹介していきます。

新卒社員の定着を促すためのサポート対策の具体的な取り組みについて

まず、重要なメンタルサポート、特にレジリエンス(打たれ強さ)を培うためのサポートトレーニング例です。

コーピング 

期待できるレジリエンス効果:自制心・精神的機敏性・自己効力感

コーピングとは、ストレスを感じたときに起こるストレス反応に対処する方法です。

誰でもストレス対処は、いろいろやっていると思いますがコーピングはより効果的な対処ができます。

ですから、これを知っているだけでも安心感があり、また実際レジリエンス力も向上します。
コーピングには2種類あります。
1 問題焦点型 原因を解決することに重点を置く
2 情動焦点型 感情のコントロールに重点を置く
 ものです。


1 問題焦点型 
原因を解決することに重点を置く ストレスの原因を根本的に取り除いてストレスフルな状況から抜け出せるように行動することです。
例えば、
「人前で話すことが苦手だが、あえて『新しいスキルアップにつながる』と考えてみる」

「どうしたら、人前で話せるようになるか、その方法を人に相談してみる」

『話し方の講座があるので受けてみたら』とアドバイスを受ける
または
『話し方の本を読んでみたら』とアドバイスを受ける
または
『異業種交流会へ行って、自己紹介をしてみたら』とアドバイスを受ける

実際にやってみる
といったことになります。


次に 2 情動焦点型 感情のコントロールに重点を置く ですが、例えば
感情にアプローチすることに重点を置き、辛いと感じる気持ちを変化させたり 解消させたりしてストレスをコントロールさせることです。

「人前で話すことが苦手。『あまり考え込まずに、気晴らししてみよう』と考えてみる」

仲の良い友達と会って、楽しい雑談をする

家では自分の好きなものに囲まれてリラックスする

苦手だ、嫌だというネガティブな気持ちが薄れる
といったことになります。

1、2それぞれメリットデメリットあります。

それぞれの特質を知り、状況やストレスの内容に応じて使い分けてみることがおすすめです。

いずれにせよコーピングを実践することにより、よりストレス対応が上手くなると思います。 その結果レジリエンス力も上がります。

瞑想

期待できるレジリエンス効果:自己認識・自制心・精神的機敏性・楽観性・自己効力感

次に、ご紹介するのが瞑想です。


瞑想は多くのメンタルヘルス特にレジリエンスにおいてたくさんの効果が出ることがわかっています。
 
1ストレス軽減: 
瞑想は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、自律神経のバランスを整えることが示されています。

瞑想の実践により、ストレスによる身体的・心理的な症状が軽減され、レジリエンスが高まるとされています。

2注意力と集中力の向上: 
瞑想は、マインドフルネス瞑想などの形式を通じて、注意力と集中力を鍛えることができます。


瞑想の実践者は、外部の刺激に左右されず、より長時間集中する能力を身につけることができるため、ストレスや困難に対処する能力が向上します。

3 感情の調整:
 瞑想は、感情の調整とコントロールにも役立ちます。

瞑想の実践者は、自分の感情に対して客観的に気付き、受け入れることができるようになります。

これにより、困難な状況に直面しても冷静な判断ができ、感情的なバランスを保つことができます。


4 自己認識と自己受容: 
瞑想は、自己認識と自己受容のプロセスを促進します。

瞑想の実践者は、内省的な時間を過ごすことによって自己との関係を深め、自己の強みや限界をより明確に認識することができます。

この自己認識と自己受容は、困難な状況に直面した際に自信や希望を持ち続けるための基盤となります。

5 ポジティブな心の状態の促進: 
瞑想は、ポジティブな心の状態を促進する効果があります。

瞑想の実践者は、自己批判的な思考やネガティブな感情にとらわれることなく、喜びや幸福感を感じることができるようになります。

このように、無意識レベルからの変容を促します。
習慣化することで脳の作り自体が好ましい、最適な状態にることがわかっています。


ですので、レジリエンス力を高め、常に良い状態にするために瞑想はおすすめのトレーニンです。
やり方はこちらに詳しくありますので、ご参照ください。


ブログ記事 瞑想のやり方とその注意点
 https://www.chiyu-uehara.com/2020/11/17/meisouyarikata/


その他にも有益なサポートのポイントを紹介します。

メンター制度:

経験豊富な先輩社員をメンターとして新入社員に対してアドバイスやサポートを行う制度を導入します。

特に新入社員が困ったことや不安を相談できるようメンタルも含めて提供し、成長を促します。

この際、メンターとしてサポートする先輩社員も新入社員を支えられるくらいの、気持ちと時間に余裕が必要です。

このため、企業がその大切さを理解し、メンター制度を実施していきます。

キャリアパスの明確化:

新入社員に対してキャリアパスを明確化し、将来の成長イメージを示します。

キャリアアップの目標が明確になることで、モチベーションが向上し、長期的な定着に繋がります。

このキャリアについては人事や上司による1on1ミーティングなど、共に考えて導いていくことが必要です。

そして、定期的にキャリアパスについて話し合いを持ちます。

フィードバックと評価の定期的な実施:

新入社員の業績や成果を定期的に評価し、フィードバックを提供します。

成長の指針を示すことで、自己肯定感を高め、モチベーションを維持・向上させます。

新入社員も適切なフィードバックがあり、自分を認められた、成長が感じられることを経験することで「この会社にいて、このような仕事がしたい」というビジョンを描くことができます。

その結果、定着する可能性が高くなります。

給与改善策の提案とその効果について

給料が離職理由であるからといって、すぐに給料を上げられるものではありません。

ただし、実行可能な対策の一例としては、年収は変えずにボーナスの一部を基本給に組み込む「ボーナス改編」などは可能かもしれません。

例えば、年間のボーナス額を一定割合を基本給に加算する形で支給することで、従業員の月々の手取り給が増えます。

これにより、給与明細においては定期的な収入の増加が感じられ、モチベーションの向上に寄与します。

この給与改善策の効果として、以下の点が挙げられます。

まず、従業員の収入が増えることで、生活の安定感が高まり、働く意欲が向上します。

ボーナス改編によって、給与全体が均等に分散されるため、一時的なボーナスの依存度が下がり、定期的な収入への安心感が生まれます。

また、給与改善は従業員の満足度と忠誠心にも影響を与えます。

給与の公平性や適正な評価を実感できることで、離職率の低下や生産性の向上に寄与します。

さらに、競合他社との差別化にも繋がり、優秀な人材の採用・定着にもプラスの影響をもたらすでしょう。

もちろん社内全体としての取り組み、経営判断となります。

ただ、定着率を上げるための有効手段の1つではあるかと思います。

まとめ

1理想と現実のギャップが離職の要因となる理由

2 アンケート結果より

離職理由1:仕事の内容の問題

離職理由2:人間関係の問題

離職理由3:給与と労働条件の問題

離職理由4:スキルや経験の不足

3 解決方法:レジリエンスとメンタルサポートの重要性

4ストレスや困難への対処能力であるレジリエンスの重要性について

5新入社員の成長と定着を促すサポート対策やトレーニングの重要性

6新卒社員の定着を促すためのサポート対策の具体的な取り組みについて

コーピング 

瞑想

メンター制度

キャリアパスの明確化

フィードバックと評価の定期的な実施

給与改善策の提案とその効果について

以上が新入社員が会社やめる理由の分析とその対策になります。
昨今、労働環境の変化により転職は当たり前、1つの会社に長年務める方が珍しくなってきました。
筆者も転職経験でありますし、そのことを否定するつもりもありません。

一方で、キャリを築くためには時間がかかります。また、何かの専門家になるためにはやはり10年近くの実務経験が必要であるのも事実であると思います。

そして、会社にとっても会社の理念や文化、技術の継承という重要なことは短期的にできるものではありません。

そう考えると、働く者にとっても企業にとってもある程度同じことを、ある一定の期間仕事を続けていくことは大切であると思います。

そのような「同じ会社で仕事を続けることの価値」を本記事で感じていただけますと幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

日本一わかりやすい瞑想・コミュニケーションセミナー講師。小学生・大学生、社会人、外国人に約5000人以上、のべ1万時間の授業・セミナーを行ってきた。元早稲田大学非常勤講師。ビジネスパーソン向けのメンタルヘルス・ウェルビーイングのための瞑想セミナー、コミュニケーションセミナーを実施中。セミナー・講演・取材お問い合わせはサイトから