おすすめ本 うつヌケ 田中圭一著

うつの人に勇気を与えるマンガ

私、普段マンガは読まないんです。仕事で読むことはあっても、プライベートでは20年くらい読んでいない。

そんな私が知り合いの編集者に勧められて読んでみました。

「本のつくりが面白い」ということで・・・まぁ、結局仕事っぽい理由になりますが。

それで、実際読むと「マンガならではの軽さと、分かりやすさ、そして、共感」があり
「ああ、マンガっていいなー」と改めて感じました。

内容としては・・・
著者 田中圭一さんはうつ病でした。そして、良くなる → うつに戻る → 良くなる を何度か繰り返し
その経験をマンガの連載にし、それをまとめたのがこの本です。

特徴としては、15、6人ものうつ病経験者たちの記録だということ。
このリアリティが面白さであり、ものすごい共感を生んだのではないでしょうか。

医者ではないからこそ「人間」が前面に出ている

私は真面目な性格ですが、生まれつきノーテンキなためうつにはならずにきました。
瞑想をやっていて、ますますそのノーテンキさに拍車がかかった感じがします。

あっ、なぜかというと、瞑想をすると本当に俯瞰(ふかん)する力が高まり(脳神経の作りが変わってきます)
「不安とか恐怖」も他人事に感じてしまうくらい、客観的になっちゃうんです。
つまり感情に振り回されることがなくなる。

また、潜在意識の浄化されるため「過去のネガティブな記憶が少なくなる」のです。

私はそんな傾向がますます強くなり、ほとんど記憶喪失のように記憶(ネガティブな記憶だけ)がなくなっています。。。

ですから、うつ病の人の本当の苦しみとかわからないのですが・・・

マンガではそのうつ病で苦しむ心情を、まるで何だか背後霊のように
得体の知れない「不安や恐怖」が襲う。

「ああ、なんか気分が晴れた」と安心したのもつかの間、またぶり返す。

こんな経験をうつ病の人はたいていされています。

そんな場面をマンガで見ると、この私も「ああ、本当に辛いだろうなぁ・・・」って切ない気持ちになりました。

でも、「そんな気持ちがマンガで描かれているのは良かった」とも思いました。
もし書籍で、文章で深刻な感じで書かれていたら、読むのは、本当にしんどかっただろうなぁ、と想像します。

「うつヌケ」は柔らかい、軽いタッチの漫画だったのでちょっと救われた気がします。

文章で「死にたい」とかあると本当に見ていられない、ページがめくれないのではないでしょうか。

また、その柔らかさがなんだか「人間的な温かさ」を感じさせます。
まるでうつ病の人たちへ「大丈夫だよ。きっと良くなるから」というメッセージを感じさせるかのようです。

実際、田中さんはそんなメッセージを本の中でも繰り返し伝えています。

結局、病気への対処の仕方を書くのだったら、医者にはかないません。
しかし田中さんは人生とか生き方について「大丈夫だよ。きっと良くなるから」と言っているんじゃないかと思う。

それで、読者のうつ病の人は励まされたんじゃないでしょうか。

医者じゃないからこそ、できることをやった、だからこの本は共感を生んだのでしょう。

自分自身であることの大事さ

医者ではなからこそ、と感じるのはうつ病の人たちの立ち直り方です。

本当にいろいろなんです。

分かりやすい例でいうと

うつ病を治す時には
「何かをやった方がいいのか」それとも「何もやらない方がいいのか」迷うところですよね。
医者だったら「薬は飲んで、あとは何もしないで」ということがほとんどじゃないでしょうか。

この本に出てくる人でいうと、「何かをする派」「何もしない派」両方だったんですね。。。。

「仕事を一生懸命やって『自分の価値』を感じることで立ち直った人」

また、
「とにかくひたすら、何もしないで休息をとる人」
でも、大事なことは

「自分がいい、好き」と思うことをすることです。

うつ病になる人はどうしても他人からの期待に応えようとして
「自分を作ってしまう」ことも多い。

あるいは、幼少期に両親からの愛情を感じられなかったため
「好かれよう」と思って「自分を作ってしまう」こともあるそうです。

そうして、自分を作り続けてある日・・・
「ダメだ・・・」と心が訴えてくる、それがうつ病だったりします(全てではないですが)

ですから、そこに気づき「自分自身に戻る」ことがとても大事なんですよね。

また、この本で医者ではないからこそ書けたことが
「うつ病との付き合い方を知ろう」という姿勢です。

医療は普通病気を退治しますが、うつ病は治ったと思ったら、またなったりします。

ですから、退治は難しい。

だったら、その付き合い方を知ってうまく付き合っていこう、そんなふうに考えています。

それで気温や気候による影響などもいろいろ研究して、うつ病との上手い付き合い方をしています。

結局、病気もその人の一部であり排除できないものなんですよね。
ですから否定せずに受け入れる、受け入れて付き合い方を知っていった方が幸せじゃないですか!

そんなことを漫画「うつヌケ」は簡潔なメッセージで伝えてきてくれます。

著者の田中さんも言っていますが、

うつトンネルで苦しんでいる多くの人にとって「偶然出会う一冊」を描いて世に出さねばならない、
そういう思いから本書執筆に思い至りました

と、あるように田中さんの「うつ愛」にあふれた良書だと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

日本一わかりやすい瞑想・コミュニケーションセミナー講師。小学生・大学生、社会人、外国人に約5000人以上、のべ1万時間の授業・セミナーを行ってきた。元早稲田大学非常勤講師。ビジネスパーソン向けのメンタルヘルス・ウェルビーイングのための瞑想セミナー、コミュニケーションセミナーを実施中。セミナー・講演・取材お問い合わせはサイトから